わたしたちは「相模川流域の自然と文化」をテーマに活動している地域博物館です

3 戦時下の市民生活−国家総動員−

特別展 44万7,716本の軌跡−平塚の空襲と戦災−

3 戦時下の市民生活−国家総動員−


 日中全面戦争、対米英戦の開始により、国家財政に占める軍事費の割合は、30%から85%に急増します。戦局の拡大により、町から職場から多くの男達が戦場に駆り出されると、出征兵士を見送る姿や千人針を呼びかける風景、節約を訴えるビラやポスターが町に溢れます。政府は、この国家的危難を乗り切るため国民に一致団結して、「時局」にあたることをさまざまな強化週間や祭典を設け強制します。昭和13年4月、国家総動員法が制定されると、すべてが軍需優先となり、人的にも物的にも資源の統制が計られていきます。個人の生活は次第に全体主義的思想の中に押し込められ、戦争への協力を余儀なくされていきました。
 昭和16年3月、国家総動員法は改正され、統制強化・罰則規定の強化が計られていきます。結果、政府の権限は今まで以上に拡張され、3月には国防保安法の公布、10月には治安維持法を改正し、適用範囲の拡大・罰則を強化して予防拘禁制を新たに追加します。この時点で、国民は物言わぬ、言われぬ国民になっていきました。米穀配給通帳制・外食券制の実施(4月)、国民学校の発足(4月)、地方銀行の整理統合(4月)、国民労務手帳法施行令公布(6月)、食糧増産活動などの勤労奉仕を行わせるための国民皆労運動の推進(8月)、重要産業団体令・金属回収令(8月)、臨時増税案要網の発表(10月)、国民勤労報国協力令(11月)と昭和16年だけでも戦争協力の諸施策が国民に重くのしかかるのでした。「外食券」「錬成」「肉なし日」「歩け歩け」「憂・良・可」「ABC包囲陣」「みそぎ」「行列買い」「箸持参運動」「ごみ箱宰相」「奉安殿」「出せ一億の底力」「ニイタカヤマノボレ」の流行語の中に、昭和16年の「時局」が読み取れるのでした。
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