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神明神社祭りの思い出

平塚のお祭り −その伝統と創造− (社寺調査会員の声)

神明神社祭りの思い出

平成17年夏期特別展図録 平成17年7月発行

 馬入神明社は音から神明さんと呼ばれていた。昔の祭日は七月
十日であった。思い出されるのは戦中の祭りのことである。戦争
が激しくなり担手が兵隊にとられてしまったので大人の御輿は神
殿に飾られるだけになってしまった。子供の御輿は担ぐことはで
きたが空襲があるから遠くへ行かれなかった。昭和二十年七月十
日のお祭りでは子供御輿は馬入川へ禊に行ったが空襲警報が発令
されて馬入橋の下に御輿をかくして逃げ帰った。それから一週間
後の七月十六日平塚は空襲された。神社と大人の御輿は焼けてし
まった。子供の御輿は蓮光寺の墓地の片隅に立ててあった屋台小
屋の中に入れてあったから屋台と共に焼け残った。子供御輿を見
ると昔を懐かしく思う。焼けた大人の御輿は総檸造りの立派なも
ので惜しまれたが今は子供御輿も新しく造られ馬入祇園ばやしも
子供達に受け継がれ年々盛んになって来ているようでうれしく
思っている。
                               大貫弥市






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