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_笛の伝授

平塚のお祭り −その伝統と創造− (I)

 笛の伝授


 現在、市内の囃子太鼓で笛が伴うのは15団体ぐらいである。戦前は笛や鉦があった所が多く、元来は笛が伴うお囃子であった。笛が失われた原因として、城所では、競り合いが盛んになり、笛を吹いても聞こえないために、競り合いでは笛を入れなくなったという。こうした事情は平塚の囃子太鼓全体に共通している。
 今日まで笛がほぼ途切れることなく続いているのは四之宮の前鳥囃子である。四之宮の山田鉄五郎さんは明治34年生まれで、真土の山口長五郎さんに3年間師事して笛を覚えた。鉄五郎さんの弟子の高梨晴吉さんが跡を継ぎ、数名の吹き手を育てている。
 近年は笛が復活傾向にある。八幡と真土は四之宮から笛を習い、河内の神明囃子は二宮町中里の故守泉氏から習った。守泉氏から教わった笠窪の人が、豊田や中原の若い人へ笛を教えている。そうしてマスターした人が、近隣の希望者へ笛を教える形で、じわじわと笛が広がりをみせている。笛を取り入れる背景には、競り合いで鳴らすだけでなく、変化に富んだ聞かせるお囃子を指向する動きがあると見られる。
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