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_太鼓の競り合い

平塚のお祭り −その伝統と創造− (I)

 太鼓の競り合い


 平塚の囃子太鼓は太鼓の鳴りにこだわる。その要因は、伝統的に太鼓の競り合いが盛んなためと思われる。お互い負けじと鳴らし合うので、おのずと、いかにいかに良い革を吟味して締めるかが勝負の分かれ目になる。最善を尽くしたら、あとは叩き手次第、腕っ節の勝負である。
 豊田の豊八幡神社の祭礼は、平塚囃子の極致である。神社前に8台の山車が横並びに整列し、芝居の幕間に壮絶な叩き合いを演じる。肩の上まで肘を持ち上げ、大きく振りかぶって強烈に叩く。豊田は昔から競り合いの本場で、日頃農作業で鍛えた屈強の若者でも、お祭りの後一週間ぐらいは肩や腕の痛みが抜けなかったという。
 中原日枝神社も例大祭の夕方、天清駐車場前で6町内が競り合う。昭和30年代中頃までは、宮着後に境内へ5台の山車が並び叩き合った。北金目神社も盛んで、3台の山車で競い、喧嘩太鼓といっている。
 豊田、中原、北金目ほど革を強く張らないが、かつての競り合いの片鱗を他の祭りでも随所に見かける。南金目神社はスーパー駐車場で5台の山車が競り、土屋熊野神社は御酒所の発着時に5台で叩く。岡崎神社も境内で3台ほどが叩き合う。また、前鳥神社は真土、八幡、中原上宿、中原御殿、中島の保存会を招待し、櫓に太鼓を三カラ並べて叩き合う。真土神社も四之宮、豊田西町を呼び、三カラで叩き合う。八幡は地元で三カラに分かれて競る。太鼓の一カラとは、大太鼓1、締太鼓2の構成である。

腕を振り上げ平らに打つ(豊田西町)  撮影 2004.10.1

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