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_甚句

平塚のお祭り −その伝統と創造− (I)

 甚句


 神輿の発着の際には甚句が唄われる。甚句好きの所は、宮入時に10曲近くも唄う。真土神社では渡御の最中も甚句を歌い続ける。甚句もどっこい同様に、神輿会発足後に唄い始めた所がほとんどである。今では甚句保存会を発足している所もある。平塚で古くから甚句を唄っていたのは須賀である。須賀甚句は明治時代に下田か大島から伝えられたといわれ、当初は大漁祝いの宴席で、茶碗を箸で叩きながら即興の文句をつけて唄っていたのが、のちに神輿渡御に取り入れられた。戦前にはすでに祭りで甚句を唄っていた。
 古くからの甚句で、現在もよく唄われるのは次の歌詞である(出だしだけ)。「大磯名代」「雨がしょぼしょぼ」「村の勘平さん」「娘十七八嫁入り盛り」「さてはこの場の皆様方よ」「めでためでたの若松様よ」「好いたお方と添いたいために」「親が邪険で」「あまりしたいのでお宮さんの裏で」「竹に成りたや破竹の竹に」「想い寄せても届かぬ恋は」「竹に雀が品良く留まる」「女良いとて倦怠ぶるな」「夏の涼みは」などなど。これら昔から須賀などで唄われてきた歌詞に加え、オリジナルのご当地甚句を創っている所も多い。
 甚句は一人がメガフォンで唄い、担ぎ手が「ヨイヨイ」や「アヨイショ」と合いの手を入れる。そして歌い終わると神輿を激しく上下にあおる。
 甚句とどっこいは、藤沢から二宮にかけての相模湾沿岸域で育まれた独自の祭文化であることは明らかで、この二つは今も内陸方面へ波及し続けている。

真土神社の先触太鼓と高張提灯  撮影 2004.04.10

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