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_天王社

平塚のお祭り −その伝統と創造− (I)

 天王社


 次に、鎮守社は別にあるが、鎮守社と同規模か、あるいは鎮守社よりも盛大に祭を執行している神社を取り上げた。これが7社あり、うち5社は八坂神社、残りは中原日枝神社境内の東照権現社と、宝町の山神社である。東照権現社と山神社はここ数年で急速に盛大になっているお祭りである。
 さて、5社の八坂神社はいずれも旧称が牛頭天王社で、祭神を須佐之男命とする。5社のうち上吉沢、中吉沢、下吉沢、根坂間の4社は、いずれも八剣神社を鎮守としている。八剣神社の祭礼は神輿が出ないが、八坂神社祭礼は神輿を担ぐので鎮守の祭礼よりも盛大である。一般に八坂神社の祭礼は神輿が付き物で、地域内を神輿が渡御することで悪疫が鎮められるといわれる。吉沢3社の八坂神社は八剣神社に合祀され、社は無いが神輿は出る。神輿そのものがお天王さんといわれるほど、八坂神社と神輿は密接な関係にある。下吉沢では神輿を担ぎたいがために、天王社を祀り始めたともいわれている。逆に、八剣神社は神輿を担いではいけないという何らかの理由があったのではないだろうかと推測するが伝承からはまだ確認できていない。また、吉沢と根坂間は比々多神社が国府祭の渡御コースに当たっていたために、神輿への憧憬が強くあったのではないかとも思われる。
 大神寄木神社の祭礼で渡御する神輿は境内社の八坂神社の神輿であり、神輿そのものを「お天王さん」や「八坂さん」と呼んだ。寄木神社の祭礼の一環として八坂神社の神輿渡御が行われているのである。
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